2012年8月27日月曜日

総額95億円相当の脱税者達のプロフィールをFlickrに掲載する英国歳入税関庁




via  bbc.co.uk

BBCの報道によると、イギリスの英国歳入税関庁(HM Revenue & Customs)が、Flickrに20名の脱税者のプロフィール画像を公開している、とのこと。

その総額なんと7億5千6百万ポンド(約95億円)。

実際にFlickrを見に行くと、顔写真に名前や年齢、略歴とともに、潜伏先と思われる国や、想定課税額まで公開されています。

ちなみにイギリスでは、昨年8月にロンドンで暴動が発生した際にも、ロンドン警視庁がFlickrに、加害者の画像を公開していたそうです。

Flickr Metropolitan Polices Photostream 1312888686188 520x329 Police use Flickr to identify London riot suspects


今回、英国歳入税関庁もFlickrを利用したということは、ロンドン警視庁での前例が多少なりとも機能していたということなのでしょうか。

発見者には英国歳入税関庁もしくはCrimestoppersに連絡するよう呼びかけています。

ご参考:








2012年8月20日月曜日

公式Instagramアカウントの運営をゲストを招いて行う米国メディア:カンヌでグランプリを獲得したスウェーデン政府に通じる手法




ちょっと前の話になりますが、The New Yorkerが、公式Instagramアカウントを、スタッフカメラマンのMartin Schoeller氏の手に1週間ゆだねる、という取り組みをしていました。

その頃にアップされた写真が、こちらになります(個人的にはこれだけ見ても、ちょっと価値が分かりませんが、、、)。


調べてみると、Luckyという女性ファッション誌でもその公式Instagramアカウントに、ニューヨークの風景を撮影して38万近いフォロアーを擁する@newyorkcityの中の人、Liz氏をゲストエディターとして招き入れるということを行っていました。

こうした取り組みは、今年のカンヌのサイバー部門でグランプリをとった、「世界で最も民主的なTwitterアカウント」として知られるスウェーデン政府のやっていることに通じるものがありますね。

スウェーデン政府アカウントの場合、そのTwitterアカウントを国民が週替わりで担当し、検閲なしに自由気ままにツイートするという仕組みで、それがゆえに人種差別的なコメントや、下品なものなどもツイートされ、炎上もありました。

カンヌのグランプリ受賞については、炎上も含めて「スウェーデンというブランドの所有者は、国民であり、それ以外の何者でもない。今回のキャンペーンで、各自がそれぞれのスウェーデンを世界に示してくれればと思う」とする、ソーシャルメディアにあった視点や時代観、透明性などが評価されたのだと思いますが。

一方、The New Yorkerや、Luckyのように、プロのゲストを招き入れる、というブログなどでもよくみられるやり方であれば、炎上リスクが低くなるだけでなく、

・ブランドに多様性を与える
・影響力のある人を迎え入れることで、話題作りになる
・ゲストエディターのファンと繋がることができ、リーチが拡大する

などの効果が期待できます。

ゲスト参加と、新たにリリースされたフォトマップ機能を組み合わせてみても面白いかもしれないですね。

今回の事例はInstagramに関するものでしたが、それこそTwitterでも同じことができると思います。

適当なことを言ってしまうと、専属モデルのいるファッション誌や、それこそ「笑っていいとも!」のような毎日違うゲストがやってくる番組がやっても面白いかもしれないですね(同番組の公式アカウントはないと思います)。







ご参考:



2012年8月6日月曜日

Twitterの将来を握っているとされる"Twitter Cards"とは:InstagramへのAPIも閉鎖したTwitterの将来像




LinkedInに続き、InsragramとのAPI連携も絶ったTwitter。

同社の今後の展開について、公式ブログや関係者の証言をもとにまとめたエントリが大変興味深いものだったのでご紹介。

API閉鎖に関してその指針を示しているとされるのが、6/29に公開された公式ブログになります。

6/19のブログに関して、Twitterは数週間以内に開発パートナーに対し、Twitterの豊富で絶え間ないストリームの使用を制限するガイドラインを発行する、というこの一文に世間の注目が集まった。数え切れないほどのスタートアップがTwitterの公開されているフィードに依存していることを考えると、これは大ごとである。

しかし、この1ヵ月の混乱の中で、ほとんどの人がTwitterの今後の鍵を握っている箇所を見過ごしている。それがCardsだ。

そこにTwitterのゴールがある。リッチで、一環性のあるTwitter体験を全ての人に。

Twitterがガイドラインを変更した時、その一貫性を提供できないアプリはTwitterを連携させることができなくなる。例えばTwitterのストリームを複製しているEchofonや、Twitterのデータを異なる体験にして提供しするニュースリーダーアプリのFlipboardなどはその候補と言える。



では、Twitterの今後の鍵を握っている、Twitter Cardsとはどのようなものでしょうか?

これについては、ニュースや画像、ビデオをツイート内に展開するExpanded tweetという形で私たちも既に体験しています。

下の画像はThe New York TimesのExpanded tweetで、ツイートの中に記事の画像と、冒頭部分を見ることができる、Summary Cardと呼ばれるもの。


Photo Cardと呼ばれるもの(例:Instagram)。


Player Cardと呼ばれるもの(例:YouTube)。



このTwitter Cards、利用の申請はできるものの、現時点では利用可能なパートナーと、展開場所が限られているのがポイントの模様。

Twitterは、最初のアクセス権を制限しており、選ばれたパートナーとだけ、ゆっくりと慎重にロールアウトしている。
そして、トリッキーなのが次の点である。現在、これらのパートナーによって作れているカード対応ツイートは、Twitterの公式クライアントのみで機能するようになっている。問題は、公式以外のクライアントが山ほどあり、これらのクライアントにはこのリッチなフォームのツイートは現れない、ということ。
一方、Twitterにとってはこれは堪らない。同社はその新しく、メディアリッチなツイートを、公式以外のクライアントを使っている全ての人に表示させる必要がある。
つまりこれは、サードパーティクライアントにとって死を意味する。


ここで疑問になるのが、Twitter社にとってのCardsとTwitter体験の一環性へのこだわり。そのヒントも公式ブログの次の一文に示されているとされています。

"Twitter Cardsは、Twitterの中でエンゲージングな体験を生む新しい機会の創出など、我々のプラットフォームが向かう今後のステップに非常に重要なものです。つまり、私たちは開発者にツイートの中で動くアプリケーションを開発してほしいのです。"(公式ブログからの引用)

プラットフォームの中で動くアプリを作る。どこかのメジャーなソーシャル企業みたいだと思いませんか?
そう、Cardsは、TwitterにとってFacebookのOpen Graphのようなもの。開発者のアプリの見え方、感じ方や機能が、FacebookのOpen Graphと連携した時により良くなるように、サードパーティの開発者は、Twitter Cardsのテクノロジーを使って、Twitterの中にアプリを作ることができる。
Sippey(公式ブログの投稿者)がほのめかすように、画像やメディアは始まりに過ぎない。Sippeyの投稿は、警告のように読みとれる一方、これまでとは違うTwitterのプラットフォームへの開発者の招集でもある。
(一方)ツイートの進化は、シンプリシティにこだわってきたこれまでのTwitterのやり方とは異なる。同社にとってメディアに転向することが大きなビジネス転換を意味するのであれば、そしてこれまでのようにシンプルでいることが不可能であるならば、一貫性へのこだわりが、次のベストな保険のようなものであるといえる。


とのこと。Cardsの可能性に関しては、画像やメディアだけでなく、ゲームの体験版や、くじなどのキャンペーンアプリもあり得るでしょうし、確かに可能性を感じるものがあります。

またこうした体験の一貫性の保持=従来のTwitterならではのシンプルさの代替、という視点も理解できます。

では、そのリッチで一貫性のある体験をもってなにがしたいの、というところですが、もちろんそこはマネタイズ、でしょう。

TwitterのプロモツイートがCardsのようなリッチな体験を提供するものになれば、広告価値は高まり、現在以上のトラフィックやエンゲージメントが生まれることが期待できます。

Twitterが開発者に対して、APIを使える機会を限定的にするほど、同社にとってはTwitter内の体験をよりよいものにできる。
別の言い方をすると、外でイノベーションを生み出すのはもう十分で、これからは中でイノベーションを起こすときである。

と、昨今のTwitterの状況を、同社のブログや関係者の発言をベースに包括的に分析したお話でしたが、色々な点でつじつまが合っていて納得感がある内容でした。

プラットフォーム化を進める一方で、これまで良好な関係を築いてきたサードパーティへのAPI公開を、一気に遮断することはやはり難しいと思います。

新たに公開されるAPI利用のガイドラインがどのようなものになるか、注目して待ちたいと思います。

ご参考:

























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