2012年5月7日月曜日

"earned media"と"paid media"を融合させるthe New York Timesの新商品"Ricochet"





ちょっと前の話ですが、the New York TimesのR&D部門が、実験的な広告メニュー"Ricochet(飛ぶ、跳ねるなどの意味)"を公開しました。

どのような広告かというと、

例えばLollipop Incがこれに契約すると、Lollipop社に関する10の記事(およびブランド戦略に合うそれ以外の記事)を、the New York Timesから選べ、それぞれの記事には固有のURLが発行される。そこにはLollipop社の広告が表示されている、という具合になるだろう。(via paidcontent.org)

とのこと。

別の言い方をすると、メディアによる(取材)記事="earned media"と、広告="paid media"を融合させた商品、といえそうです。

実際にSAPなどが利用を開始していて、こちらをみるとその様子が分かります(上の画像はそのスクリーンショット)。

この記事は、SAPそのもののに関するものではなく、Big dataの解説記事で、その上と横にSAPの"RUN Like never before"キャンペーンサイトへの広告が表示されている、という組み合わせ。

当然ながら、Twitterなどを使って(固有のURLが付された)記事をプロモーションしています。


色々なケースがあるでしょうが、このSAPのケースように、自社について直接的に言及されている記事と広告を組み合わせるよりも、自社に関連する傾向記事や調査レポートなどに広告を組み合わせるほうが、押しつけがましくなく、素直な興味・感心に基づくクリックがより多く生まれそう。

ところでthe New York Timesがこうした実験的な取り組みをするのは、初めてではなく3年ほど前にこれに似た"Sponsored Archive"というソリューションを提供していました。

その当時書いたブログを以下に抜粋。

IBM1.png

アーカイブをいかに活用しマネタイズするか、という動きが積極的になりはじめたのは、割と最近のことだと思うのですが、実際にジャーナリストによって書かれた記事が広告のコンテンツとして活用されはじめる、という動きがアメリカで始まっているようです。
画像は、the New York TimesのWeb上で展開されている、"Sponsored Archive"というもので、IBMの"Thinking about energy."というCSR/ブランディングを目的としたキャンペーンのようです。
注目すべきは、下の画像にあるようにそこで表示されるものが実際にジャーナリストによって書かれた(過去の)記事ある、ということです。

このケースの場合、IBMのCSR/ブランディング広告のコンテンツとして、過去記事を利用するという組み合わせで、いわば記事広告の中身に実際の記事を使ったようなもので、理解促進に貢献しそう。

それに対して今回のRickchetの場合は、自社に対する記載がない傾向記事等も広告出稿の対象にできるので、より汎用性が高く、デマンドジェネレーションにも繋がりやすい、という感じです。

いわゆるトリプルメディアの組み合わせ方の提案が、メディア側からも色々と出てくるといいですね。
















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