2011年3月16日水曜日

枝野官房長官から学べる10のこと:危機管理広報の視点から

2011年3月11日(金)午後2時46分頃に発生した、東北地方太平洋沖地震の影響で被災地は言うまでもなく、福島第一原発の事故により被災地以外の人達も不安に襲われています。

こうした状況において一躍注目を浴びているのが、枝野官房長官。

不眠不休で出ずっぱりの状況と思われる枝野官房長官についてTwitterでは"#edano_nero"というハッシュタグがトレンドトピックとなり、THE WALL STREET JOURNALでもその様子が、Tireless Edano Earns Twitter Respectという記事で取り上げられました(翻訳版)。

広報の分野において重要なものの一つが、有事の際の危機管理広報。対応を誤れば、顧客のみならず社会全体を敵に回してしまうことになります。

今回の枝野官房長官の対応の姿勢が、危機管理広報の観点から素晴らしいので、その理由をまとめてみました。

1. しっかりとした口調で、ゆっくりと、文節を切りながら説明する。

2. 原稿を読まずに自分の言葉で話す。

3. 記者を指名する際、回答する際に目を見て答える。

4. (放射能漏れしているなどの)可能性を否定せず「可能性はあるが」と受け止める。

5. 専門家の判断が必要な部分については、その旨を述べつつ、自らの見解を示す。

6. 誤解が起きそうなところを繰り返し、説明する。(12日時点の上の動画の冒頭や、15日時点の4号機の火災に関する説明 - 下の動画の10分過ぎあたり)

7. 最大の関心事といえる放射能の身体への影響についてきちんと説明する(数値だけではなく、放射線を浴びた時間が健康に影響を与えることの説明など。「毎時」が省略されている場合がある)。

8. 質問に対して回避的な答えはせずに、事実ベースでできる範囲の回答をする。

9. スポークスマンとして常に登場する。

10. 国民一人ひとりができることを具体的に説明する(節電に協力を、チェーンメールをしない、買いだめをしない等)。

特に12日の会見後は、何もわからない、隠ぺいだ、というようなコメントが見受けられましたが、事実ベースで確証を得られていることのみを話すのは当然。情報の更新が特になければ(専門家ではない私たちにとって)明確になったことは今はない、と理解したいと思います。

このたび被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

Posted via email from the Public Returns - 続・広報の視点

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