2010年3月3日水曜日

無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない:ソーシャルメディアマーケティングとPRの高い親和性



筆者は基本的に広報・PR畑の人間で、この業界で10年以上仕事をしていますが、ソーシャルメディアマーケティングに非常に興味があり、この分野の発展に何らかの形で寄与したいと思っています。

ここ数年で様々な取り組みがなされてきたソーシャルメディアマーケティングですが、最近になって論調が変わってきていると感じます。ソーシャルメディアマーケティングの第一線の方々が、(Twitterをセールスチャネルとして使うようなケースは除き、)その本質を単なるBUZZや数字ではなく、つながりや顧客との関係性にある、という発言を行い、無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない、という意見も耳にするようになる機会が増えています。
「無理してソーシャルメディアマーケティングをやる必要はない」。これはPRパーソンである筆者にとっては馴染みのある、古くて新しいテーマなのです。PR代理店に勤めた経験のある方であれば、「PRやって儲かるの?やる必要あるの?」という認識を持つクライアントに対し、PR活動のリテナーフィーを正当化するための説得を試みた経験のある人は少なくはないでしょう。

自分自身の頭の整理のために、SMMとPRとの共通点を洗い出してみたいと思います。


いかがでしょうか?

「押し売りでなく相手にあった形で情報を提供」「コントロールをしようとしない」「関係性の構築」などなど、ソーシャルメディアマーケティングで語られているこうしたことは、誤解を恐れずに言えばほぼ全てPR的には常識と言えます。

両者の最も大きな違いは、消費者と直接つながって会話をするかどうかと言うことになりますが、実はPRが 
「メディア(記事)を通じて信頼性の高い情報を消費者に対して発信し、消費者とと双方向のコミュニケーションを行う」
という考え方に立脚していることを考えれば、手法の違いこそあれ、これも実は共通しているといえます(そもそも消費者に支持されない情報は記者が記事にしません)。

例えば、企業の謝罪会見。これはメディアを通じて消費者に許しを請うコミュニケーションである、という例を出せばこのことは分かりやすくなると思います。きちんと説明して謝罪しないと消費者は許してくれません。消費者の不満が納まらなければ2回目、3回目の会見を行うことも珍しくありません。これは消費者とのインタラクティブ(双方向)なのコミュニケーションの分かりやすい例です。また、Public Relationsとしての広義のPRはメディアリレーションだけでは無いので、消費者の意見を直接伺う公聴活動や地域の人との交流イベントなども行います。

両者の違いを強いて挙げるとすれば、特に上場企業の場合は広報・IRを通じて情報発信することが義務(開示義務)であることぐらいかもしれません。

エデルマン社の調査が示しているように、ソーシャルメディアにおける情報の信頼性は変化を始めており、権威のある人か、実際の知り合い(ソーシャルグラフ)からの情報だけが信頼される、というように今後二極化が進むことも予想され、ソーシャルメディアマーケティングと非常に親和性がある伝統的なPR手法は、今後ますますソーシャルメディアマーケティングに必要になると考えられます。

広告とPRの違いを分かりやすく理解できる昔ながらの説明を最後にご紹介します。

広告は “Buy me!” で広報は “Love me!”

さて、ソーシャルメディアマーケティングは?



ご参考:













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